ブナの森づくりプロジェクト

残すに値する未来を創っていこう!

50年後の社会が望むであろう自然環境を確信し、未来像をバックキャスティングしています。
私達は、奧山の人工林が造られる以前にあったと考えられる自然植生を、可能な限り復元するような森づくりを行います。
それは、懐かしい未来かもしれません。戦後すぐまで守られていた森の再生と、日本人がもともと持っていた自然観を思い出す取り組みです。今はまだ小さなモデルですが、間違いなく四国中に広がっていくものになると信じています。
ぜひ私達と一緒に、活動にご参画ください!


1. 森づくりの理念と柱
人間が管理しなくても良い持続的な生態系、奥山にかつて残されていた自然林の再生を目指します。
2. 森づくりの方法
適した樹種の選択、種子採取から育苗、復元地の整備、定植、管理まで、賛同する沢山の方々と共に行っていきます。
3. 森づくりの体制
森づくりだけでなく、山林地にかかる様々な問題も専門家と共に解決していきます。
4. 今後の展開
「自然再生推進法」のもとで自然再生協議会を立ち上げ、50年後の社会構造や環境をイメージし、最終目標を目指した仕組みづくりを行っていきます。
5. 森づくりから見る社会問題
放置林の問題、山林における土地所有の問題、木材利用の付加価値など、様々な社会問題も同時に解決する森づくりを目指します。

森の復元プラットフォームづくり
2021年秋より「森・人・これから」
~森の復元プラットフォームセミナー~を開催。


1.森づくりの理念と柱

由良野の森が目指すのは、人工林が造られる以前にあったと考えられる自然植生を、可能な限り復元するような森づくりです。特に、次の二つを柱とします。

(1)その土地に適した樹種を選択する

「適地適木」というように、どの樹種も、気候、地形、標高、撹乱などの環境条件に適応した生き方を持っています。このことを考慮せずに樹種を選ぶと、植えても樹木の生育が悪かったり、さらには、生態系が不安定になることにもつながりかねません。

そこで、地域に残された自然度の高い植生を参考にし、その場所にどのような樹種が適しているかを判断した上で、森をつくっていく樹種を選択します。

(2)地域の自然、生物多様性を大事にする

生物多様性は、種の多様性だけではなく、いくつかの階層性があります(*1)。そのうちの一つが「遺伝子の多様性」です。ヒトの顔がみな異なるように、樹木も個体ごとに遺伝子レベルでの違いがあります。地理的に隔たった集団では、日本語における「方言」と同じように、集団間で遺伝的な違いが見られます(「遺伝的多様性」)。これは、長い時間をかけて、それぞれの地域で形成されてきた地域ごとの「個性」です。

もし、遺伝的に異なる地域の苗を持ってきて植樹すると、遺伝子撹乱(*2)を起こし、地域ごとの「個性」が次第に失われていく可能性があります。つまり、金太郎飴のように全国画一な集団になっていき、生物多様性を高めるための森づくりが「遺伝子の多様性」を減少させるという逆の結果を生むことになりかねないのです。

そこで、遺伝的に異ならない地域産の苗木を使った森づくりをします。地域に残された自然林から種子を採集し、苗木を育て、育った苗木を森に植えていきます。

*1:生物多様性の階層性

生物多様性条約では、生態系の多様性・種の多様性・遺伝子の多様性という3つのレベルで多様性があるとしている。

*2:遺伝子撹乱

地域に固有の遺伝子頻度を歪めてしまうこと。例えば、その地域の環境に適応した遺伝子型を持った集団に、適応していない遺伝子型を持つ個体(別の集団からの)を植栽したときに、次第に環境に適応した遺伝子型がそうでない遺伝子型に置き換えられていき、適応していない遺伝子型のセットを持つ個体が集団に増えてしまうことによって、集団全体の生存率が低下するといった可能性がある。(詳細は「地図でわかる樹木の種苗移動ガイドライン」(津村・陶山著 文一総合出版)参照)


 

2.森づくりの方法

賛同いただける沢山の方々と共に、50年後の社会に残す森づくりを行います。ターゲットは、経済林として成り立たない奥山の山頂から尾根の部分、および沢沿いの渓畔林です。

(1)樹種選択


植生・森林生態系・土砂災害などの専門家の委員会(植生専門委員会)による判断で樹種を選択します。植生図などを手がかりとした解析を行っていきます。

(2) 種子採取

地域の自然を守るため、遺伝子撹乱(*2)を起こす可能性のある離れた地域の種子は持ち込まないようにします。地域内で母樹の選定を行い、種子を採取します。

(3) 播種

採取した種子を播種して苗にします。今後森を見守る世代である子どもたちを中心として、多くの方々に参加していただき、種を撒いていきます。

(4) 育苗

可能な限り採取地に近い場所で苗を育てます。経験を重ねながらオーガニックな栽培方法に移行していきます。苗の由来(種子の産地)をしっかり管理し、定植までのトレーサビリティを確立します。

(5)復元地整備

復元地の多くは放置された人工林ですが、自然林では、木が倒れることで林冠ギャップといわれる明るい場所があり、そこで次世代の木が育っていきます。このような明るい場所を作るように、放置人工林内で小規模な伐採を行います。また、伐採した幹や枝を使って、鹿や兎などの食害から苗を守る柵を作ります。

(6)復元地への定植

樹種や本数、細かい植栽場所などを植生専門委員会で判断し、会員をはじめ、ボランティアで植えていきます。

(7) 復元地管理

復元地では、植えた苗の詳細(種子の採取地や樹種など)を地理情報と共に管理します。皆伐地とは異なり、乾燥による枯れの心配は少ないと考えられますが、鹿などによる食害が激化していることから、1年に数回は、食害を防いだり、除伐したりなどの管理を行います。最低10年は管理を行い、可能な限り、定植地周辺に(1)~(6)の行程を繰り返します。


 

3. 森づくりの体制

樹種選択

樹種選択・苗の定植(植生専門委員会)
鍋嶋絵里 森林生態 愛媛大学大学院農学研究科准教授
松井宏光 植物社会学 東雲短期大学名誉教授
木村 誇 森林環境制御 愛媛大学大学院農学研究科助教

山林土地問題・契約専門チームによる問題解決

石光真理 みかん法律事務所
秋川裕惠 秋川裕恵税理士事務所
増本 園 増本司法書士事務所

山林提供

武内博之
清水美保子

育苗圃場提供者

井部悠紀

育苗

指定障害福祉サービス事業所 パステル工房(NPO法人パステルくらぶ)

育苗指導

成瀬要三 愛媛県山林種苗農業協同組合代表理事組合長
田中貴代 森林種苗生産農家 (徳島県上勝町・山林種苗農家)

種子採取

協力団体
愛媛県フリースクール等連絡協議会
(一般社団法人フリースクール愛媛・一般社団法人フリースクール楓・NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場・体験学習スクール春夏秋冬)
NPO法人翼学園(2121年11月より)

復元地の整備

立木伐倒、柵作り
森本英章(自伐林業家)

全体を通して

先進地との連携
徳島県立高丸山千年の森(一社)かみかつ里山倶楽部


4. 今後の展開

(1) セミナーの開催

セミナーを開催し、様々な視点から森を見つつ、50年後の四国における環境と社会づくりのひな形を作っていきます。山林所有者をはじめとする多くの方に、未来に残す環境づくりに本気で参画いただきたいと考え、大規模に呼びかけを行います。

森の復元プラットフォームづくり:2021年秋より
「森・人・これから」~森の復元プラットフォームセミナー~を開催。
・2021年11月7日 鎌田磨人 徳島大学大学院
社会産業理工研究部教授
「四国の森林×グリーンインフラ×SDGs」
・2022年1月29日 中井徳太郎 環境事務次官
「日本人の自然観と環境・生命文明社会」
・2022年2月6日  占部まり 宇沢国際学館代表取締役
「社会的共通資本と持続可能な未来」

(2)自然再生協議会の立ち上げ

バックキャスト思考で50年後の社会構造や環境をイメージし、多くの方の参画のもとで、仕組みづくりを行っていきます。そのために、ボトムアップで「自然再生協議会」の立ち上げ準備を進めます。
第1段階
令和4年度より「準備会」の設立に向けて展開し、令和5年度内に
「自然再生協議会」の立ち上げを目指す。
第2段階
令和8年には森の再生が多くの方に認識されて、国が公共事業としてたくさんの雇用を生み出すもの発展している。

 

企業CSVを含めたくさんの方の協力・寄付が必要です。

(活動に賛同いただける皆さんのお問い合わせをお待ちしています。)
半世紀前まで保守されていた奥山を創っていこうとしています。
ブナやミズナラの木々を象徴とする奥山の復元に参画して下さい。

本事業は
「地球環境基金」
「瀬戸内オリーブ基金」
「伊予銀行環境基金『エバーグリーン』」
の助成と
「ゆうちょエコ・コミュニケーション」
からの寄付を受けて活動しています。


「ゆうちょ エコ・コミュニケーション」とは、環境保全活動に地域住民とともに取り組む団体を支援することで、ゆうちょ銀行と地域社会・地域住民の相互コミュニケーションを深め、地域社会の持続的発展に貢献することを目指す取り組みです。